一か月前に刈ったばかりの賃貸住宅の庭。土埃がたたないようになどと、土があらわにならないように配慮していた。けれども、あっという間に草に覆われた。10日後にはまた草刈りだ。
賃貸住宅の庭でこんな感じに草を生やしているのは珍しいのかもしれない。少し気を抜けばボーボーになる。手間がかかるので経営的には論外だろう。でも、以前の状態を考えれば、使命感が沸き上がる。以前、ある業者に任せていたところ、植栽管理という名目で大方は除草剤を撒いていただけだった。その除草剤も悪名高いラウンドアップ。ほぼ日本でだけ使用可能なベトナム戦争で使われていた枯葉剤に近いものだ。
毒に浸された土は、とても貧相になる。生命力のある草と地衣類が覆い、そもそも植物の種類が少ない。この状況を見て、すぐに除草剤を使用を差し止めたが、業者は草を刈るのでは割りに合わないということで、自ら管理することにした。
都市には生きている土が少ないが、植物は土なしには成長せず、人は植物なしには生きていけない。活力ある土壌を人の目に晒すことで、当たり前のことに気づいてくれる人が少しでもいればいいな。