高い木に登るといろいろ発見がある。隣地マンション開発時に、環境を考えて残されたシラカシの木の様子がおかしい。日当りがいい場所の林冠が枯れている。足元を見れば、気が付く点が2つある。
ひとつめは、擁壁に2方が塞がれていることだ。「土中環境」高田宏臣著、建築資料研究社 を読んで以来、擁壁、U字溝など土と関連した造作につい目がいってしまう。擁壁は、急傾斜の斜面が崩れるのを防ぐはずだが、そこに根を張る樹木には、かなりの悪影響を及ぼす。通水が止まり、土がグライ化し、樹勢を弱らす。写真では、明らかな衰弱は未だみられないが経過観察が必要であろう。
2つ目は、幹元のブルーシートである。根元の太い根は、水を吸収する力がないとはいえ、水を遮断していては良いことはないだろう。
擁壁がおこす土中滞水は、樹木の衰弱を招き、強風時に幹が折れたり、根返りをもたらす。このような時、「大木は危険だ」ということになるのだが、ポイントは別にある。この木もゆうに10メートルは超えている。何かおこる前に対策が必要だ