今回はリギングの話。地面から1.5mにある椹(サワラ)のいびつな二股のがあり懸案となっていた。針葉樹が下手に枝分かれすると、自身の成長が滞るだけでなく、椿などの中高木に干渉し、行き場がなくなってしまう。今回はその解消が目的。
隣の大木にロープで釣って、地上で二股の小さい方を切断…というところまでは想定通りに上手く進んだ。だが、その先を考えていなかった。吊るされた枝はどうやって下ろすのか。6m以上もある。
滑車を取付けるなど、あれこれ場当たり的に試みるが失敗し、その日は大枝を吊るしたままリカバリーできずに一夜を過ごした。睡眠は考えを整理する。
- より高いところに滑車を設置する
- 地上にロープの固定場所(アンカー)をつくり、ディセンダーを制動装置として使う
- 大枝を下から持ち上げ、ロープを引き込み、吊るされた大枝の荷重を滑車側に移動
- 最初に吊るしたロープを登って取り除く
- そして、地上から優しく枝を下ろしていく
遠回りしたが、これですべて上手く行った。写真はリカバリー後の様子。今回は、大枝の重量が軽かった(50kg位)ことに助けられた。計画は大事。最終形態まで見通して作業を組み立て行く重要性を痛感した。